尼崎市公契約条例の制定をめざす会発足集会資料
2012年12月1日
労働福祉会館

― 尼崎市の公共施設の清帰業務委託契約について ―

地域経済の悪化に拍車、官製ワーキングプアの増加
 市財政の厳しさから、人件費の安価な民間委託へと変更して来ました。そこでは委託事業者間の価格競争が激しく、驚くような落札額の低下が進んでいます。
 清掃業務については、労働者の手作業の職場ですから、企業努力でコスト削減が難しい職場です。ですから契約金額の低下のしわ寄せは、受託企業の経営を圧迫するか、そこで働く者の労働条件を切り下げるより方法がありません。その事により公共サービスの質の低下が懸念されます。
 表@はH22〜H24年の契約金額の表です。対前年度比の契約金額の下がり方が異常です。仕様書の変更で労働時間等が少なくなったものもありますが、保育所は変更がないにもかかわらず半額以下がほとんどで、一番ひどいのは七松保育所の契約金額がH22とH23年度比較で175万円から31万円と82%もダウンしています。
なぜ異常な契約金額といえるのか
 保育所は年間開所日数294日の清掃が義務づけられています。年問契約金額が30万円だと1日約1000円です。答弁では「各保育所の清掃は確実に履行されています」とのことですが、保育所の広さにもよりますが、2時間半くらいかけて清掃しています、1日の契約額が1000円だと1時間当たり500円以下と兵庫県の最低賃金(H23年10月739円/時間)にも満たしません。また、落札した会社は違っても、働いている人は同じという事例も沢山あります。
 同じ仕事を続けているにもかかわらず、毎年給料が減ったり、雇用が脅かされる状態が続きます。
表@公共施設清掃契約金額表単位(万円)
施設名
H22
H23
H24
H22とH23比較
H22とH24比較
本庁舍議事堂
548
548
263
100%
48%
市政情報センター
1,238
525
357
42%
29%
クリーンセンター第1工場棟
360
79
79
22%
22%
戸ノ内会館
211
211
63
100%
30%
園田東会館
466
466
156
100%
33%
浜保育所
181
40
40
22%
22%
塚口保育所
167
39
39
23%
23%
七松保育所  ★
175
31
31
18%
18%
尾浜保育所
152
30
30
20%
20%
神崎総合センター分館
399
399
125
100%
31%
水堂総合センター分館
414
414
126
100%
30%
正当な対価での取引を
 競争入札ですから、一義的には入札した事業主の責任ですが、このような契約金額の低下は異常です。